外壁工事では、建物に使用されている外壁材を正しく把握することが非常に重要です。
今回は、戸建て住宅で使われている外壁材の特徴と、その劣化状況を確認する際のポイントについて解説します。
特に、ALC（軽量気泡コンクリート）と、見た目がよく似た押出成形セメント板（ECP）の違いについて詳しくご紹介します。

外壁材によって変わるメンテナンスの必要性

建物に使われる外壁材は複数の種類があり、それぞれに特徴やメンテナンス方法があります。

今回の住宅には、ALC（軽量気泡コンクリート）パネルが使用されていました。

ALCは、気泡を含む軽量コンクリートで、以下のようなメリットがあります。

・断熱性が高い
・耐火性に優れる
・比較的軽量で建物への負担が少ない

ただし、防水性は塗膜で確保する構造のため、定期的な塗装メンテナンスが欠かせません。
塗膜が劣化すると雨水が内部に浸入し、ひび割れや腐食など深刻な劣化を招く恐れがあります。

ALCとよく似た「押出成形セメント板（ECP）」とは？

調査時によく間違われやすい外壁材に、ECP（押出成形セメント板）があります。
見た目が似ているため、調査時は両者を慎重に見分ける必要があります。

ECPとは？

・セメントと補強繊維を主原料に成形
・内部が中空構造
・デザイン性が高く、意匠性のある外壁が作りやすい
・遮音性に優れる

ただし、内部が空洞のため雨水が入ると乾燥しにくく、腐食リスクが高いため防水メンテナンスは必須です。

ALCとECPの主な違い（比較表）

どちらも「塗膜による防水」が命

ALC・ECPともに、共通しているポイントは
➡ 水に弱い素材であること
➡ 塗装（塗膜）で防水性を維持する必要があること

塗膜が劣化した状態を放置すると雨水が侵入し、建物内部の腐食、外壁のひび割れ、構造の劣化につながるため、定期的な現地調査が欠かせません。

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